私の周囲で人気の高いソロアイドルのせれちゅ、こと上月せれな。
そのせれちゅが新宿BLAZEで入場無料のワンマンライブを行うという、傍から見ると無謀としか思えない、しかし痛快極まりないことをやるという話を前々から聞いていたので、ちょっと遊びに行ってみようと参加してきた。
ちなみに入場無料とはいうものの、実際には特典券をチケット代わりに販売したのでそれで入場順が決まるし、私もチェキ券つきのチケットを買ってチェキを1枚撮っている。
会場に着くなり、ファンの有志で作ったというラバーバンドをいただく。
公式グッズと見紛うほどのクオリティであったが、せれちゅ現場はファンと運営の仲が良好で、それがこういう非公式グッズにも表れているのだと思う。
私もこの日運営の方と話をさせていただいたのだけども、ファンといっしょに現場をよくしていこう、大きくしていこう、新規ファンをどんどん取り込んでいこう、という意識が感じられて、この現場の温かい雰囲気がどこからくるのかわかったような気がした。
ライブ本編はMCをほとんど挟まない怒涛のようなセットリスト。
せれちゅの曲は一曲一曲のカロリーが高いとでもいうか、せれちゅ本人も言っていた通り、せれちゅとファンの体力勝負とでもいうような雰囲気である。
19曲のライブ本編のあと、会場が使える時間ギリギリまでアンコールを繰り返すという「エターナルアンコール」制がここでスタート。
「エターナルアンコール」はそのインパクトも去ることながら、セットリスト上は一曲ごとに小休止を入れて仕切り直す(いや、ファンはずっとアンコールしてるから休めないのだけど)効果があるのか、さらに選曲に遠慮がなくなってきて、いよいよファン目線からすると耐久レースの様相を帯びてくる。
なにせ、本編19曲、アンコール13曲とかいう普通じゃありえない曲のバランスなのだから。本編とアンコールの両方で歌われた曲もあったけども、「スクランブル」のサークルでいつもより余計に回されたりと、アンコールならではのアレンジが楽しかった。
ちなみにこの日は「最強メロディー4」と「Higher and Higher」という2つの新曲が初披露された。どちらも、勢いを増す今のせれちゅを歌ったような楽曲で、歌詞が本当にエモかった。「最強メロディー4」はウェーブが、「Higher and Higher」はリフトを推奨するようなパートがあり、どちらも大会場でやったら絵になりそうである(この数日後の「アイドル甲子園」で早速赤坂BLITZで実現するのだけど、それはまた別の話)。
最後に、せれちゅからの決意表明が。
要旨を要約すると、このワンマンに向けて自分の気持ちを高めていくなかで、自分が仲良くさせてもらっていたアイドルグループが立て続けに活動休止になって、それが悔しかったこと、高校を卒業したらせれちゅもアイドル辞めるの?とか聞いてくる人もいるけど、今の私がやりたいことはこれだから、そんな簡単には辞めないというもの。
他のアイドルグループが活動休止することを「悔しい」という言葉で表現するのは、せれちゅが自分のことだけでなくアイドル業界全体を見て、その中で自分ができることは何か、っていうところまで考えていることの表れだろうし、あれだけの観衆を前にして「簡単には辞めない」と言い切った度胸は本当にかっこよかった。
特典会で話すと、年相応の女の子だな、って思うのだけど、ステージ上で一人、熱さとパワーで溢れたパフォーマンスをするその姿はとても大きく見えるし、そのギャップが人を惹きつけるのだろう。
加えて、せれちゅ現場は観客がフリースタイルで、たまに気が向いたときに遊びに行くような私みたいなスタンスでも疎まれるようなことはないし、むしろ後ろのほうでまったりしているとその姿を見つけた友人に最前に引きずり出されたりするアットホームさがあるので、もっとライトなファンが増えたら楽しい、いや増えるべき現場なんだろうと思った。
そして、ケガ、違法行為、演奏の妨害、せれちゅが嫌がること以外だったら大体何やってもいい、という、規制でガチガチに縛られつつある最近のメジャーな現場とは対極に位置するそのスタンスも好きな要素だったりする。
2018年がせれちゅにとって飛躍の年になればいいなと願いつつ、今後もちょいちょい顔を出していきたい。